蓄電池のデメリットや問題点
蓄電池は非常用電源として、電気代削減として有効な働きをしてくれます。しかし、無視できないデメリットもいくつかあります。メリットだけでなくデメリットにも目を向けて総合的に判断する必要があります。ここでは蓄電池のデメリットについてまとめています。
経済的メリットは少ない?

蓄電池のメリットでも紹介しましたが、電気代削減効果だけで見れば蓄電池は大きなメリットがあります。しかし導入費用を含めトータルで考えると、蓄電池単体で金銭的にプラスにするのは難しいでしょう。
具体的に、容量やメーカーにもよって異なりますが、蓄電池の本体と設置費用を合わせて100~150万円ほどが相場となっています。(高性能・高容量なものは200万以上もあります。)
ただし、太陽光発電システムを導入しているor導入する予定なら相乗効果によって買電を減らし売電を増やすことができ、蓄電池単体で導入するよりもメリットがあります。
寿命があり、一定期間ごとに交換が必要
蓄電池には寿命があります。また使い続けることで当然劣化もしていきます。そのため一定期間ごとに買い換える必要がでてきます。
しかし近年の技術の進歩により寿命が以前よりも長いものが増えています。かつて充放電サイクル(100%⇒0%を1サイクル)の寿命は4,000サイクル程度でした。これは1日1回充放電を繰り返すとして11年程度の寿命となります。
しかし、現在では10,000サイクルまで耐えられるものも増えてきており、余裕を見ても15~20年以上は問題なく使えるものが増えてきています。
このことからも以前言われていたほど経済的メリットが少ない、というわけでもなくなってきています。
ある程度の設置スペースが必要

蓄電池を検討している方にとってネックになりやすいのが、蓄電池の置き場所。室外機と同等かそれ以上のスペースを必要としつつ、さらに高温や低温になり過ぎず、結露しない場所に設置する必要があります。
また蓄電池にはコンパクトな室内タイプもあります。それでもちょっとした本棚サイズになるので目立たないところにおきたくなりますが、湿度が高く空気の流れが悪いと結露しやすいため置き場所に困ることもあるかもしれません。
広い一軒家なら問題ではないかもしれませんが、狭い家だったり物が多くて置き場所を確保できるか不安な方はサイズ感をしっかりと把握して十分に検討しましょう。
電気ロンダリングについて
電気ロンダリングとは、太陽光発電で得た電力を、蓄電池を悪用することによって、不正に売買することです。具体的には、日中の安い時間帯の電気を、わざと余剰としてためておき、それを夜間の高い電気料金単価で売るという方法です。
電気に色を付けることはできないため、いつ貯めた電気なのかが分からないという点を突いた不正行為です。大手のメーカー製品を使用している場合は、このような不正ができないようにプログラムされているので心配ありませんが、システム上これらの行為が可能となっている製品もまだ存在します。
電気ロンダリングは、今のところグレーゾーンとして、特に法律でペナルティがあるということはないのですが、電力会社から不正な売買とみなされてしまう場合はあります。